2014年9月15日月曜日

大阪に行ったときの話だ…

わたしはなんとなしに小さな韓国料理屋さんに入った。
カウンターしかないこじんまりしたお店で、
わたしの両隣には60代くらいのおばちゃんが座っていた。
どうやら2人は常連であるらしく、
時々会話を交わしたし、マスターともよく喋っていた。

そのうち、右隣のおばちゃんが喋り出した。
「昨日な、うちの犬が死んでしもたんよ」
おばちゃんは溢れ出す涙を止められない。
「16年生きた。
 今日はあの子のお墓を買いにきてん。
 うちの旦那はな、あの子に冷たかったけど、
 わたしは犬に生きた人生やった。
 何よりもあの子が大事やった。
 寝たきりでも生きててほしかったんだけど、
 あの子はつらかったやろね。
 ごめんな。お嬢ちゃん、泣いてしもて。ごめんな。
 ビビンバおいしいな。
 おいしいごはん食べて元気出さなあかんな。」

話を聞いて、わたしは
自分はペットを飼ったことがないけど、
たぶん飼うこともないけど、
彼女にとってぷー太郎(犬)を失うということは、
ありきたりだけど「家族を喪う」ということに他ならなくて、
その大きな悲しみを目の当たりにして
ふたりで涙の石焼ビビンパでした…

左隣のおばちゃんも、わたしも、
どうにか右隣のおばちゃんを励ましたくて、
たくさん話を聞きました。

右隣のおばちゃんはそのことをとても喜んでくれて、
気が付けばその日は「今日は3人の絆が生まれた日」と命名されました。

そして「わたしはあなたのお母ちゃんの気持ちになってきた」と
とんでもない錯覚まで覚えさせ始めてしまいました。

最後には電話番号を交換して、
「大阪へ来たら、いつでも連絡し。絶対カラオケいこうや、絶対やで」と
韓国料理屋ですらおばちゃんとの絆が生まれてしまいました。

そのうち大阪のおばちゃんハーレムが築けそうな気がするわたしの、大切なメモリーでした。




よん

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